九州・熊本、田舎暮らしの不動産 (有)セブン
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カタログ編集後記集

20年以上前、アナログ(コピー印刷の冊子)で発行して
きた「田舎暮らしカタログ」の中でのボクが愚痴っ
ている文を集めたモノです。中には失礼な表現も
堂々と使ってありますが、正直に書くことにより
「田舎不動産固有の特性」というものの実態が
リアルに理解できるものと思います。


98年春号の編集後記より抜粋---抜き行為

当社では謄本の表題部や字図・公図、現地の地図、間取り図などは取りそろえています。土地に関してはご自身で見学されても結構ですが、住宅に関しては当社の取引主任者の熊本武雄が同行でのみ案内いたします。お客様の単独見学はできません。近年は見学者(会員以外の雑誌を見られた方)のマナーの悪い方が目立ちます。ここ近年、地主と直接交渉に及んだ人が3人居られ、一人は未遂に終わりましたが、非常に迷惑を被りました。熊本のK氏・神奈川のT氏・福岡のS氏など各氏は資料を散々送らせ、中には宿まで送り迎えさせ、タクシー替わりに私を使うなど、とんでもない「お客様」でありました。「そんなことをしたらいかんとは知らなかった。」とは、公務員のK氏、「ちょっと誤解があったようですなぁ」などと何を言っているのかさっぱり夫婦でとぼけているのが喫茶店経営のT、もちろん「業者抜き」の話を地主に直接持ちかけたのは、KやTの買い主以外の何者でもありません。S氏は地主からの「連絡」で解ったことです。しかしながら、時に私から見学者にご迷惑をお掛けしたこともありました。物件見学者を案内後、購入の返事があり、地主に契約日・決済方法などの打ち合わせで電話すると、「こちらの事情で売られなくなった。」と淡々とあっさり断る始末。 「ならば案内前の電話連絡の時にどうして売られなくなった事情を言わないのか?」礼儀も常識もない地主も居る。福岡の又野さん、松島さん、マコトにスミマセン!というわけで、田舎不動産だけでなく不動産売買というものは時に困難な場合もあるのです。
今年になって、当社の仲介で1人の都会人が球磨郡の錦町で新規就農の許可を得ました。年収が400万ほどの「梨園」の経営です。副業で150万の収入を得ることができれば、何とか生活が可能ということになります。新規で兼業農家を目指したい人は一度当社にご相談ください。場合によっては許可申請後2週間で許可証が交付されます。次回の夏号では、この錦町の「井上梨園」の宅配案内なども掲載いたしますので、その時はどうかこの井上さんをご支援の程、お願いいたします。 -----------------------------


98年夏号の編集後記より抜粋---事件屋

今回は不動産業界の奥の深さを知っていただくために熊本市のG社のB氏についてお話ししましょう。G社は熊本市内でも「知る人ぞ知る事件屋さん」です。「事件屋」さんとは、現在進行中の競売物件をまるで自社の仲介物件のように案内し、顧客が気に入れば売りつける、少々荒っぽい仕事をする業者を言います。もともと持ち主とは面識がなく、裁判所の競売資料を参考資料に話を進める訳で、物件案内などは、持ち主が住んでいないような山林や原野の土地の時は同行し、案内をします。ところが持ち主が住んでる住居の場合には、「事情があって、家の中は見れないので、外からだけ見てくれ」などと一瞬おかしな事を言います。競売に附されている持主(債務者)の知らないところで暗躍するのが事件屋さんなのであります。顧客が物件を気に入って手付金を業者に預けると、それを裁判所に持って行き、競落の手続きを取り、200万の競落額に対し、顧客から600万を搾取し、見事に差額の400万を儲けるという「おいしい商売」のお方です。B氏は裁判所に競売物件資料を頻繁に見に行きます。サングラスに帽子、冬場はマスクという出で立ちです。これは自分が案内した顧客と会った時に、相手に解らないようにという懸念から、いつしか、こんな格好で裁判所に出向く癖が付いたものと思われます。B氏は言います。「うちは1年間で800万ぐらいのを2件ぐらい売ると飯が食えるんです。」と。うらやましい限りです。当社は20物件ぐらいアクセク売らないと食えませんのに・・・。ただし、競売で得た物件は、境界立会が実行されていないのが多く、これは裁判所が現地調査の際、単なる口頭での確認によるものであり、事実、競落後、自分で物件の隣地所有者を集め、境界の立会をしなければならないので、面積の目減りの可能性やトラブルも大いに考えられます。新聞広告や雑誌広告を見て、物件を見に行く際、相手の業者が「事件屋」の可能性もあるので、注意されることをお忘れなく!! (熊本市内だけでも10人ほど居ますからねぇ。)
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99冬号の編集後記より抜粋----物件の条件

満足に物件も集まらないまま1999年も過ぎつつある。99年の当社の商い状況は過去最低を記録した。売り物件の依頼が少ないので当然の結果ではあるが、それにしても地目が「田・畑」等の農地の売買依頼が特に多かったのが目立った。田舎の地元でもいかに耕作されていない農地が余っているのかが伺える。むろんテレビ、雑誌などで紹介されているような「新規就農希望者」などが現実にゴロゴロ居るわけではない。実際はほんの少数にすぎず、田舎不動産に用のある人は殆どがまず、「とりあえず自分の土地を確保する」という目的なのである。更地を購入した人の20%程度が住宅や別荘としての建物の建築を行う。平成元年前後のバブル期は購入後の建物建築は5%程度であったが、それでも現在は20%程度というところに、まだまだ投資目的の精神的な部分は変わっていないような気がする。(銀行の預金利息の率が低いからまぁ仕方ないです。ハイ!!)今回も以前に紹介した物件が多く含まれているが、すべてが当初の価格より売買金額の「値下げ」となっている。当社もある程度の期間に買い手の引き合いがないと持ち主である地主に価格設定の減額を助言しているのだが、「以外に残っている物件にも良いものがある」ということを考えていただきたい。買い手は10の希望条件を10すべて満足させようとしている。半分の満足では納得妥協する人があまりにも少ない。この文を書いている熊本などは不動産の必須条件である・軽自動車以上が進入できる道路条件・簡単な造成で利用可能な土地の地勢・日当たり通風の良さ・隣接地に意地悪なオヤジが住んでいない、などを基本的条件として考慮しておりますが、近頃の買い手はさらに・住宅も商売も両方イケる場所・小川に隣接している土地・眺望のすばらしい土地・静かでしかも大型スーパーまで1km以内・集落地は敬遠するが公営水道の引き込み可能な土地・反単価150万以下などなど。・~・までの条件にもう1つぐらいの条件を満足する程度で物件を求めないと、とても見つかるものではないし、また、10項目を満足させる条件の場所は当社9年の歴史の中では1物件もない。テレビ・雑誌などで紹介されるような好条件の物件などは「万に一つ」と思うのが常識ではないだろうか。 **当社仲介の売家物件に対して、売家の単独見学は地主の都合の善し悪しや前例のある「直接交渉」を回避するため、申し訳ないが遠慮願っているにも関わらず「外から見学するだけなので場所だけでも教えて欲しい」との電話が多い。当社の規則の説明をすると中には強気で文句を言う人がいる。最近、場所を教えたらやはり直接交渉を試みた人が2人おられました。もちろん当社の名前は出さずに「売却の噂を聞いて・・・」と、現場に乗り込んでいく訳です。(うち一人はナント文句を言った人なのです)当社は売買依頼物件を探すために1回に数万枚の折込チラシを新聞社に依頼します。1物件確保するのに「ン万円」の経費がすでに係っております。それを仲介手数料惜しさに場所や屋号だけを聞き付け、直接交渉に走る人が後を絶たない・・・・、「横取り業者よりタチが悪い買主が居る」という現実です。  (ああ残念!!) **さて、2000年はというと、私はやや田舎の不動産の動きが活発になってくると予想します。価格もかなり下がっていることから、買い手にとっては「購入のチャンス」ですし、2004年ぐらいを頂点に再び小さな不動産ブームがやってくる、と見ています。それに「都会ばかりが住むところではない!!」という考え方にも賛同する人が多くなるでしょう。2000年以降徐々に、「文化としての田舎暮らし」の最盛期を迎えることになるのでは・・・・・。


99春号の編集後記より抜粋----田舎への憧れ

今年1999年になって始めての号となりました。会員の皆さんも当社のカタログ編集の遅延にシビレを切らして、すでに他社不動産の物件を購入された方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?業界一のカタログ編集のスピードの遅さは自覚しているところであります。(モウシワケアリマセン)さて、今回もなかなか物件が集まらなくて、苦労しましたが、1000万を超える物件がやや多く、山林原野の更地が少なかったのが特徴的です。別荘・週末田舎暮らしの物件というよりも、永住物件が多かったようです。また、思い切った再価格での登場もありました。私の個人的に思い出深いペンションも売物件として出ています。NO,9はなんと10年前に私が結婚式を挙げた思い出のペンションです。南阿蘇ではなかなか賑わっているペンションです。オーナーの岡野氏もまた、12年前に田舎暮らしと南阿蘇の風景に魅せられ、生活の手段としてペンション業を選択された我々田舎暮らし愛好者の先輩になります。今度は水に魅せられ、水の浄化・水環境の仕事を求めての売却です。それにペンション業が忙しくなり、体力的・精神的ストレスも転職の一理由のようです。むろん田舎に居ても、都会に居ても、なにがしかの仕事で食っていかなくてはなりませんが・・・・。優雅な田舎暮らしと食っていく為の仕事とはいつも相反する関係ではあるようです。もちろん、ペンションオーナーの中には、経営不振で、転売し、街にUターンする人も少なくないのは事実ですが。最近当社の会員さんで、田舎物件(更地で広い土地)の取得にシビレを切らし、小規模分譲地を発作的に買われた人が3人程居られ、買われてすぐに当社に売り依頼をされた方がいらっしゃいます。分譲の広告を見て、現地に行き、真新しい分譲地内の整備された私道や土地を見て、「つい契約をしてしまった」ということです。狭い土地なので合計価格の安さに翻弄されることはよくあることです。また、お金を出すだけで水の配管も完備し、更地売買と違って、一から自分で何でもしなければならない土地とは違います。「手間と時間とリスクが降り懸からない」というのが分譲地です。街中の住宅建設の為の土地であればこのような分譲地がBESTでしょう。しかし、多くの田舎暮らし愛好者の場合は「広くて、自由に遊べるならば、やや不便な土地でも構わない」というのが主流です。そんな土地が欲しくて、気長に捜しても長い年月見つからない場合は、こんな過ちをしてしまいがちであります。ところが、当社では田舎の分譲地の仲介は致しておりません。分譲業者に利益をすでに吸い取られていて、価値のない不動産は仲介できません。せめて、「最低でも買った価格で再度売却できる」「買った人に損をさせない」というのが不動産の魅力であると・・・。そこら辺を私の営業の「基本」にしております。せっかく買った分譲地は結局妥協し、利用するしか手はありません。小さな家でも建てて、週末のたびに利用していれば愛着が湧いてくるというものです、たとえ50坪でも。
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2000新年号の編集後記より抜粋----現金が物を言う
BR> 21世紀到来とはいうものの、ボクにとっては特にいつもの「遅寝遅起きの正月」が来るだけで何も変わりはない。毎年、案内依頼の連絡や、物件調査が正月早々から入るのは例年のことである。また、この情報誌を出す度に会員の皆様に「新しい物件が少なくてすいません!!」と、謝るのも、これまた例年通りになってしまった。(マコトニ モウシワ ケアリマセン)
さて、2000年にご案内したお客様たちの「興味深い!!?噺」をお話ししましょう。とにかく、物件購入資金を銀行などの金融機関のローンに依存する方が非常に多い。信じられない話だけれどVISAやJCBカードで洋服や電気製品を買うように・・・・・。銀行に交渉に行くと誰にでも用立ててくれるものと大きな誤解が心の中にしっかり存在しているようだ。20代の人であれば人生経験も少ないので、知識がないのも仕方ないが、30代、40代の方が多いのは「勉強不足・世間知らず」と言われても当たり前ではないだろうか?手持ち現金が1~2割しかなく、本人は堂々と、すでに物件を手に入れたかのように、その物件でのこれからの田舎生活をボクに「夢語り」するのである。本人をがっかりさせる結果になるけれど、無駄足ついでに、当然ボクはいくつかの質問をするワケである。(半日をフイにして、案内しているボクはその時点で愕然とするわけでありますが・・・・。)1,手持ち現金、用意できる現金の額は正確に何万円ありますか?(本人名義、家族名義すべて)2,銀行ローンを組むためには、担保が必要ですが、担保性の高い不動産で、抵当権の付いていないモノを所有していますか? 購入金額にもよるが、手持ち資金が購入不動産金額の7割でも別途都会地域に担保性の高い不動産を所有していないと銀行は貸さない。まして、今の仕事を辞めて田舎に永住し、収入源の確保も定かでない「人物」に、融資をするハズもない。融資を「安易」に考えておられた方にはかなりショックだろうと思いますが、やっぱりある程度お金を持っていないと・・・・、皆様の参考となれば幸いです。
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2002新年号の編集後記より抜粋----長き夢

2001年2月にインターネットホームページを立ち上げました。反響は予想どおり大きく、問い合わせのメールや掲示板の書き込みも多く、成約率もアップしました。パソコンをお持ちでない切手会員の方は、お近くのインターネットカフェや電機店などで、一度ご覧になられることをお薦めします。電機店などでは店員さんから、最新機種の詳しい説明なども受けつつ、ご覧下されば一石二鳥というわけです。当社ホームページには物件写真を豊富に掲載してあり、遠方からの安易な見学の交通費等、経費の節約にもなります。(とは言っても最終的には現物を見ないといけませんが・・・・。)昨年は、2度のカタログ発行となり、相変わらずの物件不足を実感しています。ただ、やっと売り主のほうも地下下落を認めざる得なくなっていて、実際、一時期の半額近くまで落ち込んでいる、というのが「今」の現状です。買い手からすれば、好ましい状況になっているのですが、さすがに半値になると買い主は殺到し、のんきに考えていると、アッという間に、手付けが打たれ、このカタログから姿を消していっています。 10年前に2度ほど物件案内をした人から電話があり、「何か良い土地はないか?」とのこと、 「エエッ、まだ探していらっしゃるんですか?!!」と、ボク。56才が66才になっておられ、目標の民宿経営には少し遅いのではないか?と思いました。この人を物件案内に連れて行った時の事を思い出してみたら納得しました。あまりにも条件が多すぎるのです。広さと価格、景観、川、地域性などなど・・・・。ズバリ、民宿経営は、食事の味、人当たり、清潔さ、価格が先。それからある程度の土地柄だと思うのですが、皆さんはどうでしょうか? 実現できる夢も、あまり長く追い求めると、単なる「夢」で、何もすることなく終わることがあります。

今後ずうーっと続きます。たぶん・・・・わかりませんが・・。

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